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gatearray recordings blog

秋葉原重工#3御礼

_1000393

個人的イベントラッシュでここでの告知もままならなかったですが、秋葉原重工の三回目が滞り無く開催されました。

大ファンであるGo Hiyamaさんとの共演を始めとして書きたい感想が山ほどあるんですが、ちょっと今、長文を書ける状態ではないのでご容赦を。とにかく素晴らしいパーティーでしたし、いらっしゃった方には確実にそう感じて頂けたと思います。

オレのプレイはフロッピさんからの引継ぎから若干ペースダウンして最近、最新のディープなインダストリアルを全面に押し出した内容にしました。個人的なトレンドもあるんですが、メインゲストのゴウさんの前ということで少し足を休めてもらおうということで、遅めの4つ打ちミニマルやハーフステップのグラウンド・ビートっぽいインダストリアル中心に。

反応を見た感じでは極一部には大ウケ、というところですが方向性としては自分が自信を持って送り続けていたいサウンドを45分出し惜しみなくプレイ出来ました。他ではあまり聴けない趣向になったんではないかと思います。ちょっと練習不足でハンドリングが雑だったのが自分では不満ですが…また別の形でまとめたいと思います。

そんなこんなでプレイリストです。

  1. Shed – Atmo Action – Original Mix
  2. Instra:mental – Forbidden – Original Mix
  3. Perc – Gonkle – Original Mix
  4. Perc – Wooden Art – Original Mix
  5. Aperture Science Psychoacoustics Laboratory – The Friendly Faith Plate
  6. Tomohiko Sagae – Thallium – Original Mix
  7. Regis – Blood Witness – Original Mix
  8. Fumiaki Kobayashi – Voice from Vanishing Point Part2
  9. The Black Dog – Dissident Bleep (Original Mix)
  10. Tim Kelly – Does Not Mean (Perc’s Kick Tool Mix)
  11. Aperture Science Psychoacoustics Laboratory – you can’t escape
  12. Smophor – I Have No Idea – Original Mix
  13. Perc – My Head Is Slowly Exploding – Ancient Methods Remix
  14. Ancient Methods – AM-4 B1
  15. Dead Sound, Videohead – The Chosen Path – Original Mix
  16. Fumiaki Kobayashi – Remind the From (qualia mix)
  17. BCR Boys – Endangered – Original Mix
  18. Adam X, Ancient Methods – Mitral Regurgitation – Ancient Methods Mix
  19. Asagaoaudio – Bluecolor – Original Mix
  20. Obtane – Now I Am Blind And I Can See You – Original Mix

…詰め込みすぎですねwわっとさんも書いてましたがオレたちどんだけ生き急いでるんですかねwwwそういやオレのアルバムのリリパですねなんて話もしてましたが、オレが2曲とwatさんが1曲で都合3曲かかりました。watさんがかけたGate of Zeroが作った本人も一瞬疑うくらい他の曲に巧妙に重ねられててビビりましたwありがとうございました。

あと写真が例によってFlickrにまとめてあります。今回は前回よりはるかにちゃんと撮れましたw

という訳で関わった全ての業務従事者に感謝を。次回#4は来年3月24日操業予定です!オレの誕生日の二日前と覚えておいてください!!(何

M3 2011秋御礼

ブースにお越し頂いた方、ご挨拶した方、ありがとうございました。当日はトラブルもなく、つつがなくアルバムの販売が出来ました。当サークルとしては一回お休みしての一年ぶりの参加でしたが、やはりお客さんに直接手渡しで販売できるのと、他の制作者と一同にコミュニケーションを図れるのは即売会の強みだなーというのを強く再認識しました。

販売数に関しては正直予想以上に厳しかったので、とりわけ当日直接ご購入頂いた方には深く感謝しています。聴いてお気に召したなら、今後もオレとqualiaシリーズを応援していただけたらと思います。また欲しいけどM3参加出来なかった、という方もいらっしゃると思いますので、なるべく早急にショップ委託の手は打とうと考えてますが、何分はじめてなので対応に暫く時間が掛かると思います。実は特典のテクノ三昧ロムも若干余っているので、どうするか…詳報は後日ということで。イベントなんかで本人捕まえて寄越せっていえば出せますし、R-9君のBody Informでキャッシャーに置かせてもらえるらしいので、よろしくお願いします。

今回は発注した全てを現地納品にして大量の在庫を抱えて帰るつもりだったので、初めて車で参加してみました。道中、フリースペース参加で機材の多いここうさんをピックアップしたりで、なかなか乗れない愛車インサイト909号が、この日は大活躍でした(・∀・)なれない道で少し苦労しましたが、TRCは交通アクセスが微妙なので車での参加は思った以上にラクでした。駐車場はじくうさん情報で平和島公園に止めました。ちょっと歩きますがTRCの半額で二人で払ったのでかなりお安くすみました。

イベント中はたかうけ君にサポートしてもらったんですが、彼も慣れてる上にコネクションが広いのでホントいろいろ助かりました。当日フライヤーを一緒に配りましたが、彼と一緒に動かしてる11/12秋葉原重工#3もよろしくお願いします。

終了後は一旦帰宅してから、電車でここうさんとコミティア参加のR-9君と合流して、ささやかな打ち上げをしました。イベント後に気の置けない友人と実のない話を肴に飲むのはホント最高ですwこのパターンはなかなか快適だ…

最後に、当日買ったり頂いたりしたCDを簡単にメモしておきます。まだ聴いてないので内容についてはあまり触れられません。気になったら各自ググッてね。

V.A. / TB OR NOT TB be invoked [tecra]
V.A. / Music for… [tecra]

左隣さんでした。前回挨拶しておいてほんとよかった…!papapowderさんとの安定のうんこトークと前作ジャケのふとももさん(超失礼)に挨拶。

V.A. / B.Y. Nation [B.Y. Stream Sounds]
右隣さんのハーコー、マキナのサークル。なんか若かった!ジャンルが違すぎて気のきいた話ができなくて申し訳ないっす><

suzuka / yarn [suzuka+]
以前izさんの激プッシュで知ったステキエレクトロニカおねえさん。新譜はもとより、欲しかったたい焼き根付もゲット。

Nulix / Lifeflow [AY]
Arc of Doves / The Lights [AY]

なんとBvdubのアルバムリリースを控える、日本発ディープ系テクノレーベル!最近深い音に傾いてるのはここの影響も大きですw

V.A. / 震電 [Asian Dynasty]
海外輸出中心から国内同人にも乗り出し、激ヤバなハードトラックCDを連発する、ワタクシ期待の星。小峰さん(レーベルオーナー)のポジティブな姿勢には、毎度話をしててホント感服します。

三澤秋 / 春と桜の雨 [秋の空]
オレも何度か歌をお願いした三澤嬢。同人女性ヴォーカルの中でも独特の世界観を築いてて大安定の内容&人気。

onoken / Blue Orb [axsword]
商業作品でも活躍中の敏腕作曲家オノケン君。Blue Orbはホントすごい作品で、買うつもりで行ったのに頂けるとは…。

V.A. / Gachi-techno break [Siestail]
山田さんにはホント何度もCDを貰ってきたので、今回のCDでようやく一枚お返し出来ると思ったらやっぱり貰ってしまったという。直接行けなくてすみません…(たかうけ君に頼んだ

Black Heart / Phenomenon & Dice Prot’s 20111030 [ブラハドウ]
ブラックハートさん。島原つながりちょっとだけ話とか。

Morinobear / All Rights Reserved
ツイッターでフォローして頂いてて挨拶してくれたMorinobearさん

Siromaru / INNOCENT NOIZE
お名前は知ってて帰り際にたかうけ君に紹介してもらったしろまるさん。シュランツ士。

では次はテクノ三昧#3秋葉原重工でお逢いしましょう!

qualia 1 Production Note #05 qualia 1フレンドレビュー

qualia 1のリリースにあたって、事前に音楽的な親交のある4名にマスターファイルを聴いて頂いて、レビューをお願いしました。

Fumiakiさんの新作「qualia 1」は、旅の音楽だと思う。
それも、日常から遠く離れた、どこか知らない異国の風景。
 
――導入部の、現実感からの乖離、とてつもなく広大な空間を想起させるアンビエンス。続く”Altar Track”のどこか寂しげなクリック音に始まる、民族的でエモーショナルな世界観は、これまでの彼の音楽におけるサウンドスケープとは、まったく異質のものだ。フロアを意識したDJツールではないという特徴を除いても、その音から生まれるイメージは、今や記号と化した「インダストリアル」な機械的・退廃的ヴィジュアルとは合致しない。明らかになにか別の、非日常的な、異文化に立ち向かったときの繊細な心情の変化が表れているように思う。
 
誤解をおそれずに言えば、それに最も近い感覚は「旅情」だ。好奇心と孤独と、決意。全10作からなる「Presence」という長い旅を終え、最小限の、本当に必要な荷物だけを携えた「qualia」という新しい旅は、すでに始まっている。周りに広がるのは未知の世界。自ずと、彼の内面の既知のサウンドが無二のアイデンティティとして浮かび上がってくる。
 
そうした旅先で、「Presence」からの2曲のリミックス、そして新曲で唯一のツールライクなミニマルトラック”Gate of Zero”では、敢えて過去を振り返る試みにも取り組んでいる。数少ない積み荷の中から選ばれたパーツで再構築された音楽は、自然体で、かつ無駄がない。
 
“Twilight Wharf”は、印象的なピアノに先導されるように荒々しいリズムが姿を表す。低音域の重厚さはかつてのハードテクノを連想させるが、その響きは、洗練されたミックスによって、あくまで軽やかだ。浮遊するシンセパッドとの絡みの妙を楽しんでほしい。
 
そして終曲が、静かに夜の訪れを告げる。
本作は「1」と銘打たれている。旅は終わらない。
次の旅先からは、どのような便りが届けられるだろうか。
 

Reviewer : R-9 / @epxstudio (EPX studio)
フリーランスのWEB制作者にして漫画家、テクノクリエイター、DJとしてマルチに活躍。前作Presenceの盟友としてレビューをお願いしました。漫画家としてはM3と同日に開催のコミティアにサークルB2Bとして参加。また来月11/20に新たなテクノパーティ”Body Inform“を立ち上げるとのことで、要チェックです。

近年、ダブステップやミニマルテクノを吸収して急速に発展しているインダストリアルテクノをベースにした新たな潮流に乗った珠玉の硬質テクノ群。
 
ストレートな四つ打ちから、ダウンテンポ的、ダブステップ的なものまで、バリエーション豊かな作品群はリスニングにもフロア向けにも機能する。
 
透明感のある上モノと重厚で破壊的なビートが同居する音像が耳に心地よい。
 
Fumiaki Kobayashiのこれまでのキャリアに裏打ちされた技術に基づく、新たなトレンドへの挑戦を味わえる野心的な作品だ。

 
Reviewer : Kei F / @gomma (5015: Sesame & Strawberry)
あのAdam Beyerも購読しているテクノ紹介ブログを運営するDJ。非常に高いDJスキルもさることながら、その高い分析力により技術論文さながらのテクノシーン論を展開した同人誌をコミケでひっそり発行したりして、界隈を騒然とさせているテクノ文筆家。今回はその分析力を見込んでレビューをお願いしました。先述の”Body Inform“に出演予定。

重々しく幻想的なサウンドの導きに沿って進むと、次第に緊迫したドラマティックな空気が広がってゆく。
 
やがてマシンの鼓動が力強い息吹となって、空間を震わせる。
 
そこにはネクストレベルまで押し上げられたFumiaki Kobayashiの音楽観があった。
 

Reviewer : Atsushi Ohara / @atsushio (LINEAR)
老舗のアキバ系ミクスチャークラブパーティー”LINEAR”代表にしてDJ、コンポーザー。最近は雑誌でのインタビュアやライターとしても活躍中。彼もPresenceを共にした盟友としてレビューをお願いしました。直近ではオレも出演する11/12″秋葉原重工“に出演。LINEARも年が明けて少ししたら開催予定!

“Presence”シリーズから1年後のいまという時間軸は、その間に横たわる3.11という日付をどうしても意識してしまうし、実際、友人の呼び掛けで震災後しばらくして催された音作りの合宿でも、最初は当時どんな状況で対峙していたかという話を延々していて、みんな無事でよかったよかったなんて話をしていたけど、音作りに関してはあまり進まなかったというか、そこに集まったそれぞれがどんな方向に向かおうとしているのか…文字通りの暗中模索で、フミアキさん本人も導入した機材同士のリンクにひたすら苦心していた様子で、思い出してみても、まだこのアルバムの輪郭も出てなかったと思う(いっぽう、筆者はベロベロになるまで酒をのんだ挙句、夜中こっそり友人のいびきをサンプリングして切り刻むという、まるで生産性のないことをしていた)。
 
そこから半年くらい経ってリリースされるこのアルバム、イラストではなく写真となったジャケットからも、”Presence”シリーズから動きはじめていることが印象づけられているし、アルバムを通して聴いてみてさらにその印象を感じるのは、前シリーズでのフミアキさんのトラックにはあまり見受けられなかった(はずの)、抽象的でありながらも確実に耳に届いてくるメロディーの存在があるからかもしれない。何度目かの再構築となる”remind the form”でのタイトに刻まれるシーケンスは緊張感にあふれるこの曲のムードを支配しているメロディーとも言えるし、アルバムの終盤のトラックで聴こえてくるそれは、一定の距離感を保ちつつもなんらかの感情に寄り添ったようなものであるようにも思える。
 
アルバムリリース告知でのフミアキさんの「今後の音楽との向き合い方を改めて考えてきて、さらに模索していく為の新たな枠組み」という発言を捉えると、このアルバムでその模索の過程が技術的なものにとどまらず、ひたすら自身と向き合ったことであろうことは(このアルバムと前シリーズのとの間に存在する3.11という日が存在していること向きあわざるをえない瞬間があったと思うことも含めて)想像に難くないし、そういった意味でもこのアルバムはとてもパーソナルなアルバムであると思う。しかしそのパーソナルさがひとりよがりなものでなくリスナーにとって開かれたものであることは、前述のメロディアスなトラックの存在だけではなく、深夜のダンスフロアで爆音で鳴らされることを待ち構えている中盤のトラックたちを聴くだけでも明らかだ。
 
そしてアルバムとしては控えめな収録時間ではあるけど、それについてはシリーズの次回作がどんなものになるのか想いを巡らせながら、もういちど最初から視点を変えたりしながら聴いてみるといいかもしれない。なぜならこのアルバムの「消失点」は始めと終わりにそれぞれ存在していてループの構造になっているからだ。

 
Reviewer : wat / @shugoh (Thrust/loopdrive)
あらゆるパーティーに出現してハードとディープの境界を操ってフロアをロックしていく、百戦錬磨の傭兵の如きDJ。またThrustというサークルでトラック制作でも活動中。近しいDJの中では、スタイル的にも信条的にも最も共感出来る方の一人なので、レビューをお願いしました。出演予定を見たらM3と同日の新宿レイヴ”Revo“、先述した秋葉原重工、さらにHYBRID(北海道!)とマジな傭兵っぷりです。

ちょっと遠慮して文字数を曖昧に少な目に指定したら、ものすごいバラつきのある文字数で返って来てしまいましたw自分の中ではアツシ君くらいのひとことレビューで考えてたという…そしてwatさんは申し訳ないくらい悩んでくれて、結果外タレの国内盤のインナーばりのコラムを寄稿してくれました。

各レビューとも、音でもってきちんと伝わることは伝わるものだなぁという手応えを得られて救われましたwそこから、人から人にイメージを橋渡しできるようなプロモーションになればいいなぁというのがこの企画の意図なので、これを読んでるアナタがアルバムに興味を持ってくれることを願います。

ともあれ、レビュアのみなさんありがとうございました!

qualia1 [GAR-q001] Crossfade Demo by gatearrayrecordings
qualia 1 CD Jacket
qualia 1 [GAR-q001]
Music & Photography : Fumiaki Kobayashi
Design : 12d
Price : 1000yen (Event Only)
Release on 30,Oct,2011 at M3 2011 autumn.
TRC 1F Hall E / D13b “gatearray recordings”

11/05(Sat) テクノ三昧#3 #techno_zanmai

gatearray recordings presents
- テクノ三昧#3 -
http://www.ustream.tv/channel/techno-zanmai
11/05(Sat) お昼くらいから夜まで
twitterハッシュタグ #techno_zanmai

Host : Fumiaki Kobayashi @gatearray (gatearray recordings)

Guests :
DJ RINN @DJRINN ( FROIDE )
marix @miffycore ( ハブとマングース)
iz @izmix_ (izmix)
Sango @Sango (Hardnize, Club VIP)
wat @shugoh (THRUST)

テクノ三昧は、ゲスト持参のテクノ推薦盤(ヴァイナル中心)と、それにまつわるグダグダなトークを、神奈川辺境にある”悪魔城”ことクソ狭いフミアキ邸より生放送するUSTREAM番組です。まだやるの?と思われても仕方ないのに定期化してしまい、三回目の放送となります。

今回は広島在住の女性ハードテクノDJのRINNさんが、わざわざこの為に上京して参加!
今回から使ってるステキなイラストとロゴを作ってくれたmarixも登場します。

リクエストがあれば(応えられるとは限りませんがw)ハッシュタグ #techno_zanmai付きでツイートしてください。今回からメディア制限を解除するので、それなりに幅広く対応はできると思います。まぁ番組の進行次第ですが。

個人的にはまだマイナーミニマルがかけたりないなぁと思ってるのと、IHR系のディスコハウスとかちょい古いエレクトロハウスもフォローしたい感じです。

というわけで、今回もご都合の宜しい方はぜひぜひ。

#このポストを公式サイトとして、何かあったら随時更新していきます。

qualia 1 Production Note #04 各トラック解説

なんかここまで文章がかなりぐにゃぐにゃですみません…読み返してひどかった。実はここ一週間、というか最近慢性的に世を忍ぶ仮の姿(本業ともいう)が地獄のような忙しさでして。睡眠削って勢いで書いてました。すげー恥ずかしいことを雑に書いてきてる気がするけど気にせず勢いで先に行きますw

今回は曲解説ということで書いてみたいと思います。

1.Voice from Vanishing Point Part1
今一番やりたい音楽は実はドローンで、もうこれだけで1時間くらい作りたいほどでwで、初めてこういった曲(?)を作ったんですが意外と大変なことがわかりました。単音や和音のロングトーンを多用しているので、アタマの打鍵情報がないと再生できない、つまり展開を作ってて途中から再生するっていうことができないんですよ…結局パラメーターを調整してはシンセトラックをフリーズするという作業の繰り返しで作りました。

使ってるシンセは全てSonic Charge Synplantで、この曲に限らずアルバム全編で多用しています。音程のある音やドローンノイズ等の9割はこのシンセ。ウェーブシェイプ出来る2OSC+FM変調というハイブリッド構成で、変態ノイズからキラキラシンセまで、分厚くてポテンシャルの高い音が作れます。あとリバーブが秀逸。ノードと呼ばれる音階別モジュレーションがかなり予測不可能なのと、かゆいところに手が届かない部分が多いのが欠点で、相当クセがあると思います。なぜだかオレにはしっくりきた。これで作ってみてダメならMassiveかVangurdで作るって序列になってます。

2.Altar Track
Metal Black the firstというゲームのアレンジサントラが大好きで、今でもよく聴いてるんですが、その中の2曲(AREA26-10とTime)のリズムが元になってます。昔からこの6/8で構成するパーカッションが物凄くダンサブルに感じていて、オリバーホーにも通じるトライバルミニマルのフォーマットが作れるんじゃないかと思っていました。

今回実験的にいろんなパーカッションをなんとなく雰囲気が出るまで重ねてみて、やっぱミニマルで作るのは難しかったので、適当に音程のあるテクスチャーを貼っていった感じです。リズム全部、ワンショット音をあえてベロシティもクオンタイズもベタ打ちにして組んでます。結果的に都市の民族音楽みたいな不思議な曲が出来て、もともと民族音楽的なものは好きなので今後この方向性は追求してみようと思ってます。

メロディはギリギリで入れることにしたんですが、Synplantのチューニング用に入れてたmdaのピアノ音源をそのまま流用してみたら案外ハマったのでそのままw和声や対位法は少しかじりましたがほとんど無学で、その薄弱な知識でいかにギリギリ不安定なメロを成立させるか、というこれも実験でしたw一部明らかな不協和音がありますが、曲に傷を付ける気持ちで残してあります。このピアノでギリギリ不安定な、というのが面白くてTr6やTr7でも同じようにやっていて、そちらではさらにグリッチしたので、この曲のピアノにもフィードバックしています。やっすいピアノ音源をグリッチするのが最高です。

この曲はBPMは160なんですが、イントロのクリック音で4/4のBPM120で取れるように仕込んであります。ディープハウスとかの間に使えるかもしれません。

3.Remind the Form (qualia mix)
当初の習作集の案では音雲に上げてあるPresenceのリミックスにさらにリミックスを追加してお茶を濁しまくろうという魂胆があって^^;そのさらに追加するリミックスが残った感じです。これ(元はPresence001収録)とTr4(同010収録)でPresenceシリーズを内包しているよ!という解釈にしたくて、この2曲を選んだのは事実。

原曲のRemind the Formは今でも自分のDJで軸に出来るくらい強力なトラックなんですが、昔ライブ用に取り込んであったパーツを改めてKONTAKTに放り込んで、新しく再構築できないかとアレコレ試しているうちに、この艶やかなアルペジオが出来てしまったという感じです。あれはオリジナルにあったブレイクのノイズの音から作ってるんですが、自分でも経緯が思い出せないくらい複雑な変調をしてああいう音になってます。リズムはもちろんSurgeonのTransparent Radiationの影響。

これはひょっとしたらさらに強力なトラックになったんじゃないかと、自分でもビックリしてます。

4.Presence (qualia mix)
元のPresenceという曲を作った時点で、次の企画に通じる為の楽曲の再帰性みたいなものを仕組んであって、予定通り順当にリミックスした感じです。安易な流用ではなく、一定以上の強度のあるモチーフを別の曲に転用することを前提に用意して、元の曲とシリーズの深みを作る帰納法的な作曲アプローチを考えていて、この曲はその試行でした。

オリジナルでは”Presence”という女性の発音をグリッチしたあとローファイにしてましたが、今回は全然違う変調をしてみました。KONTAKTのtone machineで和声にしてFFTスペクトル分解エフェクトで引き伸ばしてます。

リズムは単音サンプルとMinimalというフリーのアナログリズムマシンっぽいプラグインです。ヒステリックなフレーズシンセはCubase付属のMysticです。スペクトル合成系のシンセはこういう痛い音ばっかりできちゃいますね…

5.Gate of Zero
Free Dommune Zeroのゲート前でずぶ濡れになって帰ってきた日の夜に、適当にマシンドラムを叩いて仮組みしてあったパターンが元になってますw作った曲で実際の記憶を補強するのはこれからも積極的にやっていこうと思ってます。曲自体はマシンドラムでベーシックなミニマルを作る実験です。この曲では展開までをマシンドラムで組んで、全てのパートをパラで曲の頭から終わりまでCubaseに録音してからミックスしてます。

そのElektron Machinedrumは、「Remind the Form」を作り出した初代sps-1から、自分で波形が突っ込める最新モデル sps-1 mkII UW+Driveという長い名前のモデルに乗り換えて使ってます。フルデジタルとは信じられないほど良い意味で不安定な出音で、同じトラックの音でも録音した波形を見ると発音の度に出音が変わってるというwアナログの電圧の不安定性からエミュレートしてるんですかねwww低音もちょっとありえない周波数が出ていて、逆に削らないと鳴りがキツすぎるという。

イントロの怖い音と途中のグラストーンはSynplantで後付けしました。あとカッっていう音は某Knock Knockと同じサンプリング元ですw

6.Twilight Wharf
遅いインダストリアルを作ろうと思ってリズムをなんとなくマシンドラムで仮組みした時点から一向に進まなくて、とても難航しました。結局これも仮置きしていたピアノからコードを付けて、入れた音をグリッチしまくって一気に進めたらこんな叙情エレクトロニカになってたという。マシンドラムはTr5とは違って一小節を録音したものをCubase上で切り貼りしています。これは手法として明確な基準はないんですがケースバイケースで。

ピアノはDSKというフリーのデベロッパのプラグインなんですが、空間の鳴りがものすごくヘッポコで気に入ってますw古い録音機材で録ったピアノみたいな。ただ恐ろしく挙動が不安定だったので、ループで書き出して使いました。よく聴いてプチプチノイズが鳴ってるのに気づいたら、それはこいつのせいです。

7.Voice from Vanishing Point Part2
Tr1の別バージョンって感じにする予定だったんですが、試しにSonic Charge Mutonicでリズムをつけてみたらハマったので、そのままダウンビートのチルアウトになりました。

Tr1で作った声っぽい音が気に入ったので、音階をつけてメロにしてみようと思ったんですが、Synplantの特殊なモジュレーションで偶然出た音なので、ひとつの音程でしかこの音が出ないという問題にぶち当たって。結局ひとつの音程につき一台立ち上げるという力技で解決
、おかげで3音でフレーズを作って済ませましたw

たしかBPMが66なので132のミニマルと合わせたら面白いかもしれません。

その他
今までは変化するパラメータのひとつ、1ポイントに至るまで神経質に偏執的に決めないと気が済まないという怖い作り方をしていたんですが、今回の制作で、ざっっくり作ってみて耳で聴いて良ければ、機械の判断やランダム性を受け入れるというおおらかさを身に付けました。今までに比べて肩の力抜けたなぁ。

ミックスもコンプ中心の音作りからEQ中心にシフトしました。不必要に潰したり歪ませて音量を稼いだりしてたんですが、今回はトラックごとの余分なピークを抑えて、EQなどで周波数バランスを整えて音量感を出すというのを意識しています。音楽にダイナミクスはあったほうが楽しいです。

マスタリングに関しては能力不足で追い込みが甘いかなぁという気もしてますが、ミックスの時点でかなり頑張ったので作業自体は比較的スムーズでした。テープ系、ビンテージ系コンプ、EQ二種類、リミッターっていう感じですが、アタマの二つはほとんど質感を変えるだけなのと音量を調整するるだけで、最後のリミッターも余分なピークを抑えこむだけです。音圧はどうでもいいんですがもう少し艶っぽさが出せたらなぁ、と思ってます。今後の課題。

qualia1 [GAR-q001] Crossfade Demo by gatearrayrecordings
qualia 1 CD Jacket
qualia 1 [GAR-q001]
Music & Photography : Fumiaki Kobayashi
Design : 12d
Price : 1000yen (Event Only)
Release on 30,Oct,2011 at M3 2011 autumn.
TRC 1F Hall E / D13b “gatearray recordings”

qualia 1 Production Note #03 楽曲制作コンセプトと手法

今まで楽曲制作に関しては長いこと、自分でもDJで使いたいのでツール系ばっかり作ってるんですが、どこか負い目というかネガティブな意識があってですね。自虐的に「DJツールだからDJ以外の人は興味ないよね、売れないよね」みたいな…もちろんDJツールも好きだし作るのも楽しいけど、音楽的な表現することをめんどくさがって狭いフォーマットに逃げてる気もしてて。

DJはわりと後に始めたんで、音楽を作り始めた原点を考えたら、それで表現したいものが多分あったなって。だからもっといろんな人にちょっと聴いてみて!って自信を持って渡せるような楽曲を、難しくてもセンスなくても、もう少し自分の内側から出せたらなと。よく周りの人に冗談めかして「徳の高い音楽が作りたい」っていう言い方をしてますがwあと「母親に渡せるCD」とかwwwそんなわけでダサくてもショボくても言い訳したり逃げずに、表現者・アーティストとして毅然として立ち振るまおうと決めました。潔くかっこよく、です。まぁ今までのイメージもあるし、サボりすぎてたので技術的にも一発でそこまで辿りつけるわけではないので、一貫して徳の高さを目指していくための連作という枠組みが、このqualiaの楽曲制作上の目標です。

あ、もちろんDJツールとしての楽曲や制作スタイルを否定するわけじゃなく、自分の中でその境界線を曖昧にしたいというのが、気分としては近いです。後付けというか、結果的に楽曲として楽しめたりDJで使ってみたらいけた、ってなれば面白いなと思ってます。今さらテクノというか、エレクトリックミュージックという枠からはさすがに外れられないですしね。

そんなこともあって制作手順もかなり変わりました。手をつけるときにとりあえずBPM決めたり4つキックを並べてー、みたいなことはやめました。曲の雰囲気やモチーフから入るようにしてます。あとPCDJになってから繋ぐためののりしろを気にしなくなったり、展開を好きに組み替えたりしてきて、DJ向きな曲作りのフォーマットに縛られなくても済むようになったなと思ってて、それを曲にもフィードバックしていけたらなーと思ってます。

ただ、さすがにまったくの自由というのは難しいもので、以前使ってた制約が無い分別のガイドラインを設けています。特にqualiaに関しては20項目くらいあって、ループサンプルは使わないとか、音程があるものはオシレーターから作るとか、コンプで潰したり歪ませたりしないとか、いろいろあります。こうしたガイドラインがあると、迷ったときに決めやすいし、アルバム全体で自然と音の指向性が揃うので、かなりやりやすかったです。

それは企画書で詰めてあるんですが、他にもスプレッドシートでトラック毎の進捗管理をやったり、アルバム制作のマネジメントをある程度確立できたのも良かったですね。仕事も生活もあって、そこから気持ちだけで作ってるとどうしてもダレたりめげたりしちゃうので。

qualia1 [GAR-q001] Crossfade Demo by gatearrayrecordings
qualia 1 CD Jacket
qualia 1 [GAR-q001]
Music & Photography : Fumiaki Kobayashi
Design : 12d
Price : 1000yen (Event Only)
Release on 30,Oct,2011 at M3 2011 autumn.
TRC 1F Hall E / D13b “gatearray recordings”

qualia 1 Production Note #02 パッケージとタイトル

予想通り話がぐっちゃぐちゃになってますが、気にせず書きますw

動機で書いたように、パッケージまで含めて形ある作品として完成させようと決めたので、仕様は可能な限り拘ることにしました。M3直接納品なので仕上がりはオレもお楽しみなんですが、具体的にはマット紙パッケージで表は全面写真と最小限の情報、内側と盤面は12d君渾身のダークなアートワークになってます。一時期CDという媒体、特に一般的なプラケース、ジュエルケースという仕様については辟易としていたんですが、作るからにはそういう自分がポジティブになれる、持っていても渡して気分が良くなるものを、と思って作りました。特に、人に渡した時の反応を想像することはモチベーションにとってかなりプラスでしたし。

qualia 1 CD Jacket
ジャケットに使用した写真ですが、自分でロケハンして撮影に行きました。丁度一年前にちょっとだけ本格ぶった写真をやり始めたんですが、後述のタイトルの意味やテーマから考えて、ジャケットは自分で撮った写真にすることにしました。何か自分の目で捉えたものを作品として落とし込みたい、といったとこです。場所が地元のインターチェンジだったのでもっとぐしゃっとした画にするかと思いきや(そういうのも何パターンも撮ってた)、綺麗でシンプルなものにしてしまいましたが、空のグラデーションは綺麗に出せたと思います。ちなみにジャケットを縦に開くと空に向かって写真が伸びるようになってます。

Presenceは人物イラストのジャケで、あれはあれで意味があったんですが、それとは対照的な風景写真になったのはなかなか面白いです。このシリーズでは自分が日常の中で見つけたカッコイイもの、ステキなものをジャケットとして紹介してく予定です。ダムとかw

qualiaというタイトルですが、具体的にはウィキペディア参照として、人はどうやって物を認識しているのか、という脳科学や認知心理学、哲学に渡る問題です。この言葉は結構前にlainなどで知られるイラストレーターの安倍さんの影響で知りました(余談ですがPresenceも安倍さんに多くの影響を受けてましたw)。とある画集のあとがきで読んだんですが、安倍さんはデッサンを書いてる時に、鉛筆の線の集合がどこから絵として捉えられるのか、その認識が立ち上がる瞬間の脳の働きについて拘ったのが最初だったそうです。オレも学生時代に音について同じようなことを考えていて、読んだ時に共感を覚えました。多分大学の勉強でフーリエ変換ですべての音が単一周波数のサイン波に分解出来るというのを感覚的に理解した時です。それでなくてもこれは意外と誰でも考えたことはある普遍的なテーマかもですね。赤いはどうして赤いのかってヤツ。

実際に曲単位でそれを深刻に意識して制作してはいないんですが、メディア全体を作品として、自分と自分が知覚する世界の接点や境界線みたいなのを雰囲気的なテーマにしたかったので、前からどっかで名前に使おうと思ってたのを丁度良く当て嵌めた感じです。写真は目でパッケージは触覚で音源は聴覚って感じです。嗅覚と味覚はさすが難しいですからねw

ちなみにPの次でqというのは偶然の一致ですw

qualia1 [GAR-q001] Crossfade Demo by gatearrayrecordings
qualia 1 CD Jacket
qualia 1 [GAR-q001]
Music & Photography : Fumiaki Kobayashi
Design : 12d
Price : 1000yen (Event Only)
Release on 30,Oct,2011 at M3 2011 autumn.
TRC 1F Hall E / D13b “gatearray recordings”

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